お口の中に口内炎ができてつらい…
このような経験は多くの方がされていることだと思います。
しかしそれが口内炎ではないとしたら…
今回はそのようなお口の中にできる白いできもののお話をします。
お口のなかの歯茎や、粘膜に白いものがあって痛い、ずっとついていてとれない、舌で触るとざらざらするということはありませんか?
この場合、単なる口内炎ではないことがあります。
「カンジダ症」「扁平苔癬」「白板症」といった病気であることがあります。
カンジダ症は、口の中に、乳白色の苔状の斑点がみられたりして、まわりが赤くなっていたりします。
これは免疫力の低下によってできたりします。
また、入れ歯をされている方ならば、入れ歯を不潔にしていると口の中にできたりします。
拭うととれるもので、以下に述べる「扁平苔癬」「白板症」とは性質が大きく異なります。
カンジダ菌という真菌が悪さをしてできるものなので、抗真菌薬を飲んだり、軟膏として口の中に塗ることによって治療します。
扁平苔癬(へんぺいたいせん)は、皮膚や口の中の粘膜(主に頬粘膜)にレース模様の白い病変としてできていることがあり、30~50歳代の女性に多く、無症状であることが多いのですが、ヒリヒリしたりすることもあります。
これも口内炎のようにかなりの痛みを伴うものではないので気づかないこともあり、拭ってもとれることはありません。
金属アレルギー、ホルモン異常、ストレスなどによって発症することがあると言われていますが、はっきりとした原因、病因は解明されておりません。
治療としてはステロイド薬、ビタミンAを投与して経過観察を行います。
白板症(はくばんしょう) は、歯の横の歯茎や舌の横などに白いものができていて、こすりとろうとしてもとることはできません。
また、口内炎のように痛みがない、もしくは痛みが小さいので気づかない事もあります。
40歳以上の男性に多く(女性の約2倍)、タバコ(喫煙)や、入れ歯のある方ならば入れ歯の不適部分(あたっている部分)が長年の間、歯茎や舌に当たることが原因で発症することがあります。刺激性食品の摂取が原因となることもあります。
約5~10パーセントが癌に悪化する恐れがあります。
白板症はビタミンAの薬が有効な場合もありますが、大半は大学病院口腔外科などにて外科的手術をして取り除かなければなりません。
このように口の中のできものが単なる口内炎ではないかもしれません。
歯科医院での定期検診における初期の発見が非常に重要になってきます。
口の中に白いものがある、痛いなど、何かしらの違和感や気になるところがあればすぐに歯科医師にご相談下さい。
当院では日本口腔外科学会認定の口腔外科専門医が巡回する歯科医院です。
お口のできものは、口腔外科の分野でもあり、気になる方は当院の口腔外科までご相談ください。
ひかり歯科クリニック山手台院