唾液は、1日に1~1.5リットルも分泌されるといわれています。
唾液には、お口の粘膜の保護などさまざまな働きがあり、お口や歯をはじめ、私たちのからだ全体を守っています。
「口が渇く」ことは一時的な場合もありますが、慢性的なものは「ドライマウス(口腔乾燥症)」という病気です。
さらに、唾液が減るとその働きも弱くなりますから、むし歯や歯周病のリスクも高くなってしまします。
唾液は自律神経からの指令が唾液腺に伝わり、血液を元につくられます。
ですから、唾液が少なくなる原因は、自律神経の問題、唾液腺の問題、血液の量の問題などさまざまで、一つだけではない場合もあります。
薬の副作用でお口の渇き(口渇)がみられる場合もありますが、自己判断で服用を中止するのは危険です。必ず医科の主治医に相談してください。
口腔乾燥症の専門外来を訪れる患者さんには圧倒的に女性が多く、約8割を占めています。
年代別にみると、50代から急激に増加しています。
80歳以上の方は外来を受信するのが難しくなるため、見かけ上は少なくなっていますが、実際には寝たきりで口をあけたままの方などにもお口の乾燥が多くみられます。
口腔乾燥症の治療には、医科で唾液の分泌を改善する薬や漢方薬などを処方してもらうことができます。
また、薬の副作用が原因の場合は、医科の主治医への薬の減量・変更の依頼状を歯科医師が作成するともできます。患者さん自身でできるケアには、唾液腺のマッサージや保湿剤の使用があります。
またよく噛むようにするなど生活の中でちょっとした工夫をするだけでも、口腔乾燥感の改善につながります。
ひかり歯科クリニック山手台院
院長 北川 泰司